性器のできものは、陰部にできるブツブツや水疱、しこりなどを含みます。男性の場合は陰茎・亀頭・陰嚢など、女性の場合は大陰唇・小陰唇・腟などにできるできものを指します。性器のできものは、病気の可能性が高い症状です。形状によって疑われる疾患が異なり、痛みや膿などを伴うこともあります。
特に注意が必要なのは自然治癒することがない性感染症です。放置していると自覚症状に乏しいまま感染範囲を広げていって深刻な疾患や不妊などにつながる可能性があります。
性器にできものが発見された場合には、必ず医療機関を受診して原因を確かめることが重要です。
当院の診療体制
吉祥寺まいにちクリニックでは、男性と女性の性器に生じたできものの診療を行っています。女性のデリケートゾーンの診療は平日午前中の女性医師のみが診療を行っております。男性医師は女性のデリケートゾーンの診療は行っておりませんのでご了承下さい。
性器のできもの
性器は排泄や性行為などによって衛生を保ちにくい場所であり、様々なできものが生じやすい場所です。下着が密着していることから擦れなどの刺激を繰り返し受けますので、皮膚や粘膜が傷つくことが多く、病原体が入り込んで感染も生じやすい傾向があります。
痛みを伴うできもの
性器ヘルペス
性器ヘルペスは性感染症ですが、性的な接触だけでなく、タオルの共用などで感染することがあり、家族間の感染リスクが高い疾患です。ヘルペスは口周辺に生じることもありますが、性器に発症した場合は性器ヘルペスと呼ばれます。性器にかゆみや違和感、水疱、ただれや潰瘍などを生じて、自然に解消へ向かいます。ただし、症状が消えてからもウイルスが神経に潜伏し、免疫力が低下すると再び活性化して発症を繰り返すケースが多くなっています。感染して初めて症状が現れる際に強い症状を起こすことがありますが、再発時にはそれほど強い症状を起こすことはありません。
バルトリン腺膿瘍
腟の入口の左右にあるバルトリン腺は、小さな開口部から分泌液が出てきます。この開口部が詰まってしまうのがバルトリン腺嚢胞で、通常はグリーンピース程度の大きさのバルトリン腺がクルミ程度の大きさになる場合があります。またバルトリン腺に常在菌が侵入して感染を起こすとバルトリン腺炎を発症し、悪化して膿がたまるとバルトリン腺膿瘍となります。バルトリン腺嚢胞では痛みを起こすことは少ないですが、バルトリン腺膿瘍では大きく腫れて強い痛みを生じます。
毛包炎(毛嚢炎)
毛穴の奥にある毛根を包む毛包が炎症を起こした状態です。陰毛の毛穴に生じることがあります。発疹や膿がたまった嚢胞などができ、うずくような鈍い痛みを生じることもあります。
痛みを伴わないできもの
尖圭コンジローマ
陰部にイボのようなできものが生じる性感染症で、最初は小さなイボができますが、次第に大きくなって数を増やし、合体して鶏のトサカやカリフラワーのようになることもあります。HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって生じますが、子宮頚がんの原因となる高リスク型ではなく、低リスク型のウイルス感染によって生じます。できものは性器や肛門周辺にできますが、女性は腟や子宮頚部などにできることもあります。痛みは基本的にありませんが、かゆみや違和感を生じることがあります。
梅毒
昭和初期までは感染者数が多く、最も恐れられてきた性感染症でしたが、抗生物質の登場により治せる病気になっています。一時期はほとんど感染者がいなかったのですが、最近になって感染者数が増加しており、注意が必要な性感染症になってきています。症状は感染3週間後の第1期、3か月後の第2期、3年後の第3期、末期である第4期に分けられ、無症状の時期がありますが病気がその間も進行しており、期が進むに連れて重い症状を起こし、治療をしなければ最終的に命に関わることがあります。第1期には赤い腫れが生じ、第2期になるとピンク色のバラ疹が生じ、第3期にゴム腫ができ、第4期には脳や心臓にも病変が広がって心不全や脳梗塞などを生じます。
フォアダイス
小さくて白いブツブツが男性は陰茎に、女性は小陰唇などにできます。ブツブツの中には脂肪がたまっており、病気ではなく生理現象であり感染も起こりません。
皮下腫瘤
皮膚の下にできるしこりの総称で、良性と悪性に分けられます。良性の小さなしこりに気づかないことも多く、細菌感染を起こしてしこりのサイズが大きくなって発見されるケースもあります。
真珠様小丘疹
尖圭コンジローマに似ていますが生理現象として生じるイボです。男性は、亀頭外側に真珠に似た粒が冠のように並びます。包皮腺(タイソン腺)も陰茎にできるブツブツで、裏側にある筋状の包皮小帯両側に生じます。包皮腺も生理現象であり、病気ではありません。こうした生理現象のブツブツは治療する必要はありません。見た目が尖圭コンジローマに似ていることがあります。
性器のできものの検査・治療
性器のできものは生理現象として生じるものも多いですが、性感染症によって生じている可能性もあり、見た目では判断できないケースもありますので、疑わしい症状がある場合は1度受診して診察を受けるようおすすめしています。性感染症の場合には放置してしまうと悪化して深刻な症状を起こす可能性がありますので、早めに受診しましょう。
診察では、症状について問診で伺った上で視診を行って判断しますが、必要があれば血液検査などを行うこともあります。原因疾患や状態によって有効な薬や治療内容は変わりますので、きちんと検査を受けて適切な治療につなげることが重要です。
また、性感染症の場合にはパートナーが無症状でも感染している可能性が高いので、必ず検査を受けるようにしてください。
当院の泌尿器科の診療について
吉祥寺まいにちクリニックでは、女性のデリケートゾーンの診療は平日午前中の女性医師のみが診療を行っております。男性医師は女性のデリケートゾーンの診療は行っておりません。担当医が変更になることもありますので、その際はご了承いただきますようお願い申し上げます。
なお、液体窒素を使った保険診療の治療は行っていますが、切除手術やレーザー治療は行っていませんのであらかじめご了承ください。
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症状の解説ページ
- 陰部(性器)の痛み
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