性感染症には多くの疾患があり、似たような症状を起こすことも多いので検査をして確定診断することが重要です。病気や症状の内容などによって必要になる治療法が変わり、効果的な薬も異なりますので、医療機関の受診は必須です。また性感染症は自然に治ることはなく、治療には受診が不可欠です。
やっかいなのは、性感染症になっても無症状や軽い違和感程度の症状しか起こさず、長い期間をかけて病変を拡大し、深刻な病気を発症させたり、不妊の原因になったりする可能性があることです。
感染が分かったら、パートナーが無症状の場合も必ず検査を受けるようにしてください。パートナーが無症状のまま放置していると、せっかく治療をしても繰り返し感染してしまうことになります。
性感染症検査の重要性
性感染症は、はっきりとした症状を起こさない疾患が多く、かかっていると気づかずに放置して感染を広げてしまうことがあります。また、症状が乏しいまま進行して前立腺炎や卵管炎を起こしたり、不妊・早産・流産などのリスクを上昇させたり、母子感染を起こして赤ちゃんに深刻な症状を起こす可能性もあります。
性感染症は検査を受けて疾患を特定することで初めて適切な治療を受けて治すことができます。
進行や感染の拡大を防ぐためには、早期の検査と治療がとても重要です。
なお、現在はオーラルセックスによって、のどへ性感染症が発症するケースが増加傾向にあります。のどに感染した性感染症は自覚症状に乏しく、症状があっても風邪に似ていることから見逃されてしまい、感染が拡大する原因になっていると考えられています。リスクが高い場合には症状がなくても定期的に検査を受けるようにしてください。
診察の流れ
待ち時間を最小限に抑え、スムーズに検査を受けるために、事前予約をおすすめします。
予約時間の少し前に受付に声をかけ、予約を確認して保険証を提示します。保険証がなくても検査を受けられますが、その場合は全額自己負担となります。
ご来院前にご自宅や移動中などのスキマ時間にWEB問診をご記入いただけますと、ご来院当日はスムーズな診療のご案内が可能です。
診察室では医師が問診票をもとにお話を伺い、必要な場合には視診を行います。
診察の結果を踏まえて感染が疑われる性感染症の検査を行います。
性感染症の検査
疑われる疾患や感染部位、男女などによって検査方法が変わります。代表的な性感染症の検査は、下記の内容になります。なお、子宮頚部などの検査が必要な場合や婦人科疾患が関与している可能性もありますので、陰部に症状がある女性は泌尿器科ではなく産婦人科へのご受診をお勧めします。
クラミジアや淋病の検査
女性は腟分泌液や腟粘膜を綿棒で軽くこすって採取したり、尿で検査を行います。男性の場合には尿検査が行われます。のどの感染が疑われる場合は、うがい液を採取して検査します。
カンジタ
性器に症状が現れている場合には、綿棒で軽くこすって検体を採取して検査します。症状が見た目では判断できない場合には、女性は腟分泌液による検査を、男性は尿検査を行います。
ヘルペスや尖圭コンジローマ
男女ともに病変部分からウイルスや細菌を採取して検査しますので、症状や病変がなければ検査はできません。
梅毒やB形肝炎、C型肝炎、HIV感染症
血液検査で感染の有無を確認できます。なお、HIVの場合には、最初に感度の高いスクリーニング検査を行い、陽性だった場合に確定検査を行って、そこでも陽性の場合にHIVと診断されます。
性感染症の検査における注意点
性感染症は、セックスをはじめとした性的な接触によって感染する病気の総称です。性感染症にかかると免疫力が低下して他の性感染症にも感染しやすくなり、複数の性感染症を合併していることも珍しくありません。性感染症検査を受ける場合には、症状やリスクに合わせて複数の検査を同時に行うようにすると効率的な検査が可能になります。
ただし、原因疾患によって潜伏期間が大きく変わります。潜伏期間に検査を受けると実際には感染していても陰性という結果になってしまう可能性もあります。医師と相談して必要があれば潜伏期間を考慮した時期に改めて検査を受ける必要が生じます。
また陽性の場合には、パートナーにも速やかに検査を受けてもらうことが重要です。男女や個人差によって感染していても症状を起こさない場合が多いので、パートナーに症状がない場合も検査を受ける必要があります。パートナーも感染している場合、同時に治療を受けることで、せっかく治してもお互いに再感染しあうピンポン感染を防ぐことができます。
誰にも知られずに受けていただける性感染症の郵送検査キット
当院では、性感染症の検査をご自宅でできる検査キットを販売しています。このキットはスマートフォンやパソコンから簡単に申し込むことができ、最短で翌日にはキットを受け取ることができます。ご自宅で検体を採取したらポストに投函するだけです。なお、結果はWEBで確認できます。
この検査キットで陽性になった場合、オンライン診療でご自宅にお薬を郵送することが可能です(※)。
※自費診療となります
※すべての性感染症がオンライン診療で治療ができるわけではありません